| *** Lucyみさおの逃亡日記 *** |
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【Lucyみさおの逃亡日記(16)】
=Make the money 中編= |
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DATE:2000.05.28in San Francisco
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム) |
腹を決めた相棒は強い。
さりげなく興味を示した白人女性に口八丁でまくし立て、おまけに最初のお客さんやからタダでええ!と言い、ついにファーストカスタマー獲得。 うやうやしくその女性から名前のスペルを聞き出し紙に書いて私に手渡す。こちらは何も喋らない。ただ黙って辞書を引き、それなりに意味のある漢字を探す。 その間相棒は、あなたのために素晴らしい文字を選んでいるのだ、と説明する。 文字を決めて姿勢を正し、筆に墨を吸わせ、2〜3回オーバーにフリーペーパーに下書きした後、一気にカードに書き上げる。その間はこちらも真剣なので多分かなり怖い顔をしていたか、異様な空気を放っていたのだろう。書き終えてふと気づくと辺りに人垣ができている。 ひるむ事なく、相棒に漢字のもつ意味を説明し、相棒がそれを客に伝え、”Thank you” と言いながら日本式のお辞儀をする。相棒は立ったり座ったりだが私はずっと地べたに正座したままである。その姿はまるで生八つ橋の「おたべ人形」。ファーストカスタマーは思いの外喜んで帰っていった。 最初の客があれば後は強い。まさかと思ったが次から次ぎへと客が来る。私たちのまわりにはいつも人垣ができている。 最初のうちは皆、自分の名前だけを注文していたが、だんだん一人で家族全員の名前を注文するなんていう客も増えてきた。こうなったら時間をかけてはいられない。辞書でとりあえず綺麗な意味の漢字を探すものの、長い名前になるとすべての意味が通じない。そのうち、相棒に漢字の意味を伝える時も、真剣な面差しで 「適当にいうといて」 という事が多くなった。 無口な書き手と口八丁のポン引きとのコラボレーションは完璧。当て字に口八丁で意味をつけたカードを買った客が真剣な眼差しで戻ってきた時は冷やっとしたがそれもつかの間。その客は自分の家族の分を追加注文に来たのだ。 そんな中、私の横でじっと手元を見つめながら順番を待っていた男の子がいた。小学校の一年生くらいか?普通ならこんなものに興味など示さないし、待つことなどできない年頃だが、彼はじっと待っていた。漸く自分の順番が来たときの彼の嬉しそうな笑顔は忘れられない。 時折聞こえたさげすみの言葉も、日本人観光客の冷たい視線も、強い日差しも風も暑さも、足のしびれも、この笑顔にはかなわない。 気がつけば帽子には70ドルの紙幣が貯まっている。10ドル紙幣や20ドル紙幣の客に渡す釣り銭を自分達の懐から出した為、純粋の売り上げは50ドル。 街頭時計は既に午後3時を指していた。 (後編に続く) 【全然英語が話せない人の為のワンポイントレッスン】 例えば”TOM”は漢字で書くと”渡夢”。意味は”夢を渡る”しかしポン引きの説明は一筋縄ではいかない。 ”次から次へと夢がかなう素晴らしい人生があなたに訪れる” 一番長い名前は確か漢字で6文字。ブラジリアンだったと思う。音にして10近かった。でももう忘れた。 【なぞなぞ】 これは何と読むでしょう? 1、富蘭久 2、瑠宇紫維 3、舞華瑠 4、智亜瑠寿 5、芽亜理 (こたえ) 1,ふらんく 2,るうしい 3,まいける 4,ちゃーるず 5,めありい これにどんな意味をつけていたのか今となっては忘れた。 石谷みさお(いしたにみさお) Lucyみさおの逃亡日記(17)へ ※この記事の著作権は 石谷みさおさんに属します。 本人に許可なく転載、転用等をすることを禁じます。 ※この記事に関するご意見ご感想、は info@livelovelink.com までお寄せ下さい。 |